モバイルアプリを売却するには？

アプリは資産であり、ほとんどの資産は収益化できます。ダウンロードを有料化したり、定期購入 (subscription) を提供したり、1回限りのアプリ内購入 (in-app purchase) を使用したり、広告を掲載したりすることで、アプリで収入を得ることができます。売却を検討してもよいでしょう。

最初は慣れないかもしれませんが、アプリを価値あるものと見なすべきだと考えています。このような考えに切り替えることで、良いスタートになります。

本記事では、主な質問や、アプリを販売すべき理由について説明します。どこで、誰に、どのように投資家がアプリを評価するかを見ていきましょう。

アプリで収入を得られるなら、売却する理由は？

さまざまな理由が考えられます。

● プロジェクトが負担になった

● 生活環境が変わった

● チームの人間関係が悪化した

● 市場が変化した

最も一般的な理由は、プロジェクトの負担と前に進みたいという欲求です。例外はいくつかありますが、他のビジネスと同様に、アプリ単体では上手くいきません。少なくとも、継続的なサポートとアップデートが必要です。運用アプリには、トラフィックの定期的な購入、販売ファネルの最適化などが必要です。

プロジェクトを売却すると、事前にX*月次純利益を得られます。収益によっては、設備を購入したり、新しいプロジェクトを一から開始したりするのに十分な資金になるかもしれません。

‍アプリを売却できますか？

Appleの例を見ると、アプリの売却は違法と考えるかもしれません。実際には、譲渡の理由の一つにアプリの売却が挙げられているため、規則に違反することはありません。

アプリを別の開発者に売却したとき、もしくは別のApp Store Connectアカウントまたは組織に移行するときに、アプリを譲渡することになります。

アプリの売却を技術面観点から見ると？

購入者にアプリを譲渡すると、料金 (もしくは同意した対価) が支払われます。購入時には、次の点を考慮してください。

1. 契約に署名します。購入者として、販売者から他の開発者のアプリを不適切に利用された場合、自分自身を守る必要があります。不正利用されると、使用できないコードを受け取るリスクがあります。そのため、弁護士に依頼することをお勧めします。

2. ソースコードを確認します。ソースコードアプリのコードを取得していることを確認します。

移行する際は、レビューや顧客 (サブスクリプションユーザー) など、できるだけ多くの情報を保持することが不可欠です。いずれにせよ、これらの情報は保持されます。売却手続き自体は、次の2つの方法のいずれかで行われます。

まず、アプリのみを売却して別の開発者のアカウントに譲渡できますが、アプリは特定の要件を満たす必要があります。 Appleのウェブサイトには手順が掲載されており、基準の詳細な一覧を公開しています。以下に要点をまとめました。

1. アプリのどのバージョンでも、iCloud 認証情報を使用したり、ウォレット機能を使用したりできません。

2. アプリには、App Storeにリリースされたバージョンが少なくとも1つ必要です。

3. アプリのアプリ内購入プロダクトIDは、受信者のアカウント内のアプリのプロダクトIDと同じにすることはできません。

アプリの譲渡を開始するか、アプリの譲渡を承認すると、App Store Small Business Programに参加できなくなるためご注意ください。

App Storeからアプリを削除せずに、アプリの所有権を別の開発者に譲渡できます。アプリでは、転送中および転送後もレビューと評価が保持されます。また、ユーザーは引き続き今後のアップデートを利用できます。さらに、アプリが転送されると、そのバンドルIDが維持されます。アプリのビルドがアップロードされた後にバンドルIDを更新することはできません。

アプリが基準を満たさない場合、売却する唯一の方法は、デベロッパーアカウント全体を購入者に譲渡することです。そのアカウントに関連付けられている他のアプリがあれば、可能であればアカウントから移行するか、すべてのアプリをまとめて売却する必要があります。アカウント全体を売却する方法は、購入者のオプションを制限するため、価格に悪影響を及ぼすおそれがあります。さらに、取引先銀行を変更しなければなりません。

いずれにせよ、すべてが購入者に引き渡されるコードリポジトリに送られます。購入者は、受け取ったコードがアプリに正確に組み込まれており、機能することを確認する必要があります。Appleは次のように説明しています。

アプリを譲渡した場合でも、譲渡前に発生した支払いと売却に関する情報に引き続きアクセスできます。移行が完了すると、売却に関する情報にアクセスできなくなります。譲渡されたアプリの受信者は、譲渡後に発生したトランザクションの支払いおよび販売情報のみを受け取ります。

準備が整ったと仮定して、次に進みましょう。

どこで売却しますか？

次の2つのオプションがあります。

● 専用のプラットフォーム (マーケットプレイス)

● 直接販売

どちらも見てみましょう。

Flippaは人気のマーケットプレイスですが、Sell My AppやAppBusinessBrokersもあわせて検討してください。プラットフォームは仲介役として、すべての取引をスムーズかつ安全に行うことができるため、満足度が高くなっています。通常、マーケットプレイスは取引の成功報酬モデルで運営されており、通常は販売者が支払います。追加料金で、契約書やNDAなどのすべての標準文書を購入できます。成功報酬は約10%です。

取引に自信があり、不正の心配がない方は、直接販売もお勧めです。

アプリを評価する方法は？

難しい質問です。ビジネス書には、「あなたの商品は、誰かが喜んでお金を払ってくれるほどの価値がある」と書かれていますが、実際には役に立ちません。まず、誰かがあなたのアプリにお金を払っても構わないと思っているかどうかを評価しなければなりません。次に、偏見なく公平な視点を持ってください。

定期購入アプリは運用ビジネスとして評価されます。つまり、販売者は年間または月間利益を見積もり、それに係数を掛けます。通常、この係数は1年で1から3、1か月で12から36の範囲で変動します。Appleの手数料、トラフィック、およびその他のシステム稼働費用を差し引いた後の収益を計算する必要があります。

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例はこちら：

アプリには1,000人のサブスクリプションユーザーがいて、一人あたり月額10ドルを支払っています。あなたはApple Small Business Programに登録しています。そうすると、月額0.85×1000×10 = 8,500ドルになります。トラフィックに30%、その他すべてに20%を投資すると仮定すると、純利益は0.5×8,500 = 4,250ドルになります。そのため、アプリを51,000～153,000ドルで売却できます。

ただし、一部のアプリは、はるかに高い価格で売買されます。一般に、これらはM&A (デベロッパーチームが他社に移籍する巨大な取引) による戦略的買収です。

安く売ることも高く売ることも、両方向で交渉できることを覚えておきましょう。

収益以外に、販売にとって重要なことは？

定期購入について最も重要な指標の1つは、解約率と「サブスクリプションユーザーの利用期間」です。これは、新規ユーザーと長期ユーザーのどちらが収益に貢献しているかを示します。それをよく表している2つのグラフを見てみましょう。

更新別の分布データ：

アプリのユーザー層の大部分は、新規ユーザーではなく、既存のユーザー (水色の傾向ライン) で構成されていることがわかりました。これは、ユーザーが商品に価値を見出していることを意味します。長期間利用して、支払いを続ける傾向があります。

他にも注目すべき点があります。先月の収益だけを見ると、デペロッパーが大量のトラフィックを購入し、収益が大幅に増加した可能性があります。自分自身を守るには、純利益を確認する必要があります。

コホート分析 (cohort analysis)：ユーザーがアプリに滞在する時間と離脱する速度を明確に示しています。

過去の推移 (販売ファネル (funnel) でのコンバージョン (conversion)) を理解することで、今後の収益を見積もり、リスクを説明するためのシンプルなモデルを構築できます。

モバイルアプリはベンチャービジネスになり得るか？

ベンチャーキャピタリストは、10倍以上リスクのある優良機能の高い投資収益率を期待しています。これが基礎経済学の仕組みです。

アプリが大企業から導入され、多数のユーザーを擁して、非常に急速に成長しているような場合を除いて、ベンチャービジネスとは言えません。多くの場合、このような商品は、はるかに便利な運用ビジネスと考えた方が良いでしょう。

M&AやIPOでイグジットできなければ、投資家の資金は配当で返還されます。この仕組みを見てみましょう。

100万ドルの投資を集めたとします。 一年後、1か月あたり100万ドルの収益を獲得し始め、50万ドルの費用 (トラフィックと運用システム) が発生しました。これにより、0.7×50万 = 35万ドルの月次利益が得られます。純利益の30% (10.5ドル) が配当になると仮定しましょう。さらに、各投資家は自分のシェアに比例して資金を受け取ります。 ある投資家に20%を与えたとします。その投資家は、初期投資額100万ドルで、毎月2万ドルまたは年間24万ドルの配当を受け取ります。市場が変化する可能性があるため、リスクが高く、投資家にとってあまり有益ではありません。

これは一例にすぎませんが、実際の数値は私が提供した数値の2倍も異なることはめったにありません。

業界標準になり、巨大企業と見なされている非運用アプリがあります。これらの会社は売却できます。多くユーザーが商品を使用しているため、理論的には公開することができます。最近の例には、Clubhouseが含まれます。投資家の予想に反して収益化はなく、多くのユーザーが利用しています。

アプリへの投資は可能です。重要なのは、投資が何に変わるかを理解することです。多くの場合、創業者が投資を受けずに自助努力で高利益の商品を生み出すことで、収益性が向上して負担が少なくなります.

Androidの場合は？

すべては同じままですが、利益の規模が小さくなる可能性が高くなります。

Adaptyはどのように役立ちますか？

Adaptyは、アプリにまつわる真のデータを浮き彫りにします。 ユーザーレベルですべての重要な指標を計算します。そのため、投資家または購入者と開発者の両方のデューデリジェンスプロセスを簡素化することがあります。 App Store ConnectとGoogle Playに組み込まれている分析機能では、ユーザーレベルで詳細な情報を取得したり、アプリの収益性を現実的に見積もったりすることはできません。ベンダーから直接情報を受け取るため、サービスが不正利用されることはありません。

始めたばかりの場合は、数時間で購入を処理できます (分析と属性 (attribution) についてもあわせて参照)。 すでに別のソリューションまたは独自のソリューションを使用している場合は、当社のソリューションにシームレスに移行して、ビジネス自体に集中できます。